「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読んで
Ryoです。
今回は、「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読んでみました。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」は、ディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されている喜多川泰さんの作品です。
この本について興味がある方、読んでみようか悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしていただけたらと思います。
本記事の内容はあくまでも個人の意見です。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」について
基本情報
| 価格 | 1,650円 |
| 出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
| 著者 | 喜多川泰 |
| 発行者 | 谷口奈緒美 |
| 発行日 | 2007年8月15日 |
あらすじ
就職活動に出遅れ、将来に思い悩む平凡な大学4年生の僕は、
ある日、書斎カフェで『手紙屋』と書いてある奇妙な広告とめぐりあう。
たった10通の手紙をやりとりすることであらゆる夢を叶えてくれるというのだ。
平凡な人生を変えたい!
そんな思いに突き動かされるように、僕は『手紙屋』に手紙を書き始めた……。
働くことの意味とは? 幸せな人生とは?
そして、謎の「手紙屋」の正体とは……?
就職や転職を考えている人はもちろんのこと、
明日をよりよく生きたいあなたに読んでほしい1冊です。
(引用元:ディスカヴァー・トゥエンティワン公式サイト)
著者について
喜多川泰は、1970年生まれ愛媛県出身の作家。
東京学芸大学卒。
デビュー作は2005年の「賢者の書」。
作品は長年に渡り読み続けられ、次々とベストセラーになっている。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読んだ理由
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読む前に、同じ著者である喜多川泰さんの作品「運転者」を読みました。
その話がとても印象深かったため、そこから喜多川泰さんの他の作品が気になって購入に至りました。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読んで
成功=失敗しないことではない
この本を読むまで「思いどおりの人生」の意味を、「出来るだけ失敗せず、楽に乗り切ること」だと思い込んでいました。
表面上の「合格」や「採用」に囚われて「不合格」のような失敗を避け、それがあたかも「成功」のように感じていたのです。
しかし、実際そのようにして得たものは、本当に自分が欲しいものであり、本当の成功と言えるのでしょうか?
それは、あなたの頭の中にいつも"天秤"を用意することです。
(引用元:「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」102ページ)
本物の人生の成功者になるためには、自分が手に入れたいものに対して、それに釣り合うだけのもの(正しい努力)をする必要があります。
つまり、成功者からすれば、欲しいものを得られるだけのことをしたのだから手に入るのは当たり前という訳です。
一度でも明らかに天秤に釣り合っていない(努力が足りていない)にも関わらず上手くいってしまう経験をすると、いずれ「あの時も上手くいったから」とどこかで期待してしまい、失敗した時に過去の成功をきっと後悔してしまうことでしょう。
そして、成功はたまたま運が良かっただけだという考え方が染み付いてしまいます。
成功の人生を送る人にとっては、起こる出来事にラッキーとアンラッキーの区別はありません。
(引用元:「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」104ページ)
「人生は思いどおりに行く」を実現させたいのなら、結果の良し悪しに囚われずに全ての経験を成功に必要な材料へと変えていくことが重要です。
個人的にはこの本を読むまで、過去に犯した失敗について「あの時の経験があったから今がある」という言葉を聞くと、正直後からこじつけたような綺麗事のように感じ取ってしまっていました。
つまり、それはただのラッキーだと思ってしまっていたのです。
しかしこの本を読んで、それは自分自身が失敗に対する悔しさや熱量をただの不幸で終わらせてしまっているだけであり、そのような言葉を口に出来る人は、その人のして来た経験からしか出来ないような挑戦をして来たのだと感じ、考え方が変わりました。
また、自分自身の失敗も、このまま片付けてしまうのか、それとも成功に変えるのか、それを決められるのは自分自身であると気付かされました。
自分は後者になりたいし、そのためにあらゆる経験を成功の糧にして、自分の欲しいものに釣り合う努力をしていこうと思います。
目の前にあることに全力を注ぐ
目標を持つから壁が現れるのです。
(引用元:「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」170ページ)
つまり、壁にぶつかっている時というのは、自分がより良い方向に生きていこうとしている時であり、誇るべきものということです。
自分はこの言葉にとても励まされました。
全く同じ出来事でも、自分がどう生きていきたいか、何を目標とするかに応じて、乗り越えるべき壁となるのか、ただの通過点となるのか変わってきます。
そしてその壁というのは、自分の人生に必要だから自分の目の前に現れているものであり、自己判断で切り捨ててしまうのは非常に勿体無い。
また、その目の前に現れることに全力を注ぐことは、しっかりとしたゴールを持つことよりも大切であるということを、手紙屋は主人公に教えます。
これを今の自分自身の勉強に置き換えるなら、検定試験が分かりやすい例でしょう。
漢検や英検などの検定試験は、必ずしも受験するものではありません。
学校などで強制的に受験を強いられる場合でも、結果を気にしないのであれば、必死に対策する必要もありません。
でも、合格したいと思って勉強をした、つまり検定試験を壁としたのは自分自身。
別に検定試験に合格したからといって(多少有利になる場合もありますが)行きたい学校への入学が約束されるわけでもないのに、それでもその壁を捨てられなかったのは、自分の人生にとって必要なものだからであると解釈しました。
これまでの検定試験の経験が、将来受験や仕事、はたまた思いもしない場面で役に立つ時が来るかもしれないと。
一見自分の目標と直接的に関係しないように見えるものでも、その瞬間の感情を優先して取捨選択してはいけないし、むしろそれを最終的な夢の実現に活かせるように全力を尽くすべきであると感じました。
物語性もあるが自己啓発本に近い印象
この本は、主人公が手紙屋と出会ってから手紙屋との文通を通して成長していく過程、さらには手紙屋の正体について… 物語としても非常に面白く、読みやすいものになっています。
ですが、手紙屋が主人公に伝える言葉や主人公の気持ちや思考の変化は、読んでいて非常に感慨深いものです。
自分に当てはめて考えられることも多く、読み終えた時の感覚としては自己啓発本のような印象を受けました。
この本を特におすすめしたい人
学生
この本は、個人的に自分を見つめ直すきっかけとなり「もっと早くに出会いたかった」と感じました。
と同時に、「今出会えて良かった」とも感じました。
単に学生と言っても、まだまだ進路について考える余裕がある学生、進路の選択を迫られている学生、まさに就職活動中の学生、様々な状況の学生がいらっしゃいますが、どんな状況であれ、この本は読んで損はしないと思っています。
また、内容も手紙のやり取りが中心となった読みやすい形式になっているため、普段は本を読まないという学生でも朝読書や読書感想文など読書をする必要があるという場合は、ぜひこの本をおすすめしたいです。
自分の本当にやりたいことが分からない人
この本は、「自分は何がやりたいのか」「何が自分に向いているのか分からない」そんな悩みを持っている人にとってヒントになる内容が書かれています。
内容は手紙屋と主人公とのやり取りではありますが、自分自身が主人公になったつもりで、手紙屋の手紙に対して自分だったらどう感じるか、どう返事を書くかを想像してみるのも面白いし、自分の今後の人生に良い影響をもたらしてくれるでしょう。
現在の自分の生き方に迷いがある人
この本は、現在の自分の生き方(職業や生活スタイルなど)に「本当にこれで良いのか」「なんだか生きた心地がしない」といった迷いを感じている人にもぜひ読んで欲しいです。
転職を考えている人や、何らかの形で現状を打破したいと思っている人にとって、この本は背中を押してくれる一冊になると思います。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」の総評
終わりに
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」は、働くことの意味をはじめ、人生について考えさせられる素晴らしい作品です。
手紙屋からの手紙は、タイトルには「就職活動を変えた」とありますが、就職活動をしている(控えている)人にはもちろん、そうでなくても将来に不安や迷いがあったり、現在の仕事にやり甲斐を見失っていたり、そんな人にとってお守りになるような一冊だと思っています。
実際に自分自身、事あるごとに手紙屋の言葉を思い出したり、読み返したりして勇気をもらっています。
また、「やりたいことがない」「自分が働く姿を想像出来ない」という人にとっても、そのような状況から前進するためのヒントを得られるはずです。
「手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」が少しでも気になったという方は、ぜひ読んでみてください。
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